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「コンビニ弁当16万キロの旅」-フードマイレージ

コンビニ弁当16万キロの旅-食べ物が世界を変えている
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たまたま仕事関係の調べものをしていて、図書館で出会った本です。

小学生くらいの子ども向けに分かりやすく書かれた本ですが、コンビニの便利さ、安さなどの「光」とともに、地球環境に与える影響や低賃金で働く労働者が支えていることなど、「影」についても考えさせられる良書でしたので、ご紹介します。
 
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船やトラックで食料を輸送するとき、公害の原因となる排気ガスや二酸化炭素が排出されています。また、輸送には多くのエネルギーを必要とします。
地球環境のために、食材の輸送距離をできるだけ短くしていこう、という考え方です。

輸送機関や技術が発達し、世界各地のものが簡単に手に入るようになった現代。
輸入量が多い日本の食糧事情に沿って考え出されたのが、「フードマイレージ」なのです。

本のタイトル、16万キロとは、am/pmの19品目「和風幕の内弁当」に使われている食材の「フードマイレージ」です。
16万キロとは、地球を約4周する距離です。
日本人はふつうに豊かな食事をするために、果てしのない距離をかけて食材を得ていたのです。

低い食料自給率 40%(50年前は80%近かった。)
←食生活を変える、日本の農業を支えていく

→海外の限られた農地や水などの資源や環境に大きな影響を与えている
(例:日本人の食料のために、日本の農地全体の2.5倍の外国の農地が使われている)

→食材輸送にかかる二酸化炭素の排出量が他国に比べて大きい
(輸送手段の違いや国内輸送については計算に含まれていないので、もっと大きいはず)

食卓と生産地の距離をできるだけ縮めること、つまり家庭の近くで採れたもの・作られたものを購入することが一番早い解決策です。

「地産池消」や「地産地食」といったことを心がけること、身近な「地域」と自分達の「食」を見つめなおすこと・・・
子どもたちに伝えるだけでなく、大人である私たちも一緒に考えて取り組んでいきたい問題です。

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また、私はこの本で初めて知ったのですが、「フードマイレージ」と同様に、「バーチャルウォーター」という考え方もあり、研究が進んでいるようです。

「もし、輸入しているものを自分の国で作っていたとしたら、どれくらいの水が必要だったか」ということだそうです。
「20世紀は領土紛争の時代だったが、21世紀は水紛争の時代になるだろう」という言葉もあります。

例えば、精米されたお米1トンをつくるのに、水は3,600トン必要なのだそう。
分かりやすくすると、お茶碗一杯(150g)のごはんをつくるために、水は270kg(2リットル入りのペットボトルが135本分)も必要だということ。

コーンスナック1袋(90g)では、材料のとうもろこしだけで水171kg(ペットボトルが約85本分)、牛肉100gでは2トン(ペットボトル1,000本分)、ファミリーマートの「牛丼」弁当を作るのに約2トン・・・
気が遠くなりそうな数字です。

私たちは、日々、こうした負荷を地球環境に与えながら生きているのだと思うと、毎日の食事を大切に、無駄にしないようにしなければと改めて思います。
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by monsteracafe | 2007-12-30 20:51 | Life style
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